直感日記

「これがやりたい」その声は、きっと未来の私の声。だったらそれは、私にとっての羅針盤。ドキドキするね。

マラッカで男とケンカした話

 

『お前は悪い男だ!お前は嘘つきだ!
        私に謝れ!!!』
(英語)



 

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それはマレーシアを
旅していたときの話。


首都クアラルンプールから
世界遺産の町《マラッカ》へ、
バスで5時間南下します。

 

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それは、ゲストハウスで起こりました。


マラッカのにぎやかな町並を
15キロの荷物を背負い、
1時間もさまよい歩きながら、
ようやく予約した宿に着きましたが
何かがおかしい様子です。


「Excuse me!!  Excuse me!!」


いくら呼んでも誰も出てきません。
ゲストハウスの階段を上がり、
トイレから出てきたゲストに聞いても
所在は分かりません。


となりのゲストハウスのオーナーに
助けを求め、電話してもらうも繋がりません。


『君は、別の宿を探す方がいい。
こんな宿やめちまいな。』


かれこれ1時間近く経過しています。
早くシャワーを浴びて、
ベッドに横になりたい。
私は置き手紙をして違う宿に向かいました。

 

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翌日。Booking.comから通知が届きます。
「あなたが無断キャンセルをしたと
連絡がきました。あなたは宿に泊まりませんでしたか?」

 


ちょちょちょ、待ってよ〜
私悪くないよ?!お金引き落とされるの?!
お金、返してもらわなきゃ。


私は炎天下の中、徒歩で
昨日のゲストハウスへ向かいます。

 


ドアを開けると、
小太りの男と目が合いました。
「あなたはオーナーですか?」
「あぁ。」男はうなずきます。


「これ書いたのおまえか?」
昨日私が書いた置き手紙が
缶に貼りつけられ、飾られています。


内容はこうです。
《I was waiting for you for long long time.Why did you come back?I was tired & angry & sad.I look for another house.》


苦手な英語で一生懸命会話します。
「なんであなたは昨日いなかった?」


彼は悪気ない様子で早口な英語で言います。
「僕は病院に行ってたんだよ。@“!?/:※’@&-/?!-@※」

 

私はその態度に腹が立ちました。
「私は1時間もずっと待ってた!暑くて、疲れてたのに。それなのに私はお金を払わなきゃいけないのか?」

Booking.comから来たメールを見せます。


あぁ、その必要はないよ。@“!?/:※’@&-/?!-@※」


となりにいる女に目配せをしてニヤニヤしています。悪びれた様子がまったく感じられません。


『お前は悪い男だ!お前は嘘つきだ!
        私に謝れ!!!』
(英語)


男は首をかしげて、また女の方を見ます。
このアホな女、何言ってんだ?という感じで。


悔しいけどこれ以上、英語は出てきません。
私は、あるアイデアを思いつきました。

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沈黙すること30秒。
オーナーはめんどくせーという
表情を浮かべて、あくびをしました。


「うわぁぁぁぁぁーーん」
突然泣き出す私に、
2人の表情がぎょぎょっと変わります。
私は泣き真似をしながら、
後ろを向いて歩き出します。
「うおぉぉぉぉーーん」


ガッチャン。

 

 

 

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私(ププッ。なんだそれ。笑)
自分で自分の演技に吹き出します。


アホやな〜私。
ちょっと微妙だったかな。


さっきまでの怒りはどこへやら、
自分の泣き真似を思い返してニヤニヤ。

 


もし、あのままぷりぷり怒ったまま、
ゲストハウスを後にしていたらどうでしょう。
その日はイライラと悲しみで
笑えなかったはずです。


ところが、とっさの泣き真似で、
面白ネタができたのでした。


でも後悔していることがあります。
動画を撮っておけばよかった


写真や録音だけでもあれば、
あとから人に話す時に
もっと笑えたのになーと。


嫌なことが起きても、
自分次第でくだらないネタに
することくらいはできる、
というお話でした。笑